社長との関係悪化
Q
社長との関係悪化
前々から、社長との関係が悪化し、何かにつけて対立している。子どもの急病で病院に連れて行った時、休暇をとる旨の連絡をするのが1時間ほど遅れた。そのことを指摘され「勤務成績不良、無断欠勤したために解雇する。解雇日は1ヵ月後の〇月〇日とするとする」と書面で通告してきた。
納得できない。どうしたらいいか。
A
法的ポイント
- 労働契約法15条(懲戒)
- 「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係わる労働者の行為の性質及びたいようその他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
- 労働契約法16条(解雇)
- 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
- 労働契約法17条(契約期間中の解雇等)
- 「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを 得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することが できない。」
判例としては次のものが象徴的な最高裁判例である。
S52.1.31高知放送事件、S35.3.11細谷服装事件、S58.9.8関西電力事件、H8.9.26山口観光事件、H3.9.19炭研精工事件、S52.12.13目黒電報電話局事件、S45.7.28横浜ゴム事件
アドバイス
相談者から聞いた状況であれば、労働契約法第16条(解雇) 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」に該当し、解雇権濫用である。
「連合静岡に相談したら、解雇権濫用の事案だと聞いた。この職場で働き続けたいから撤回してほしい」と求めてはどうか。
それでも「解雇の撤回はできない」といった時は、当事者間では解決できないので方策としては以下の選択肢が考えられる。
- 静岡県労働局に斡旋の申請(使用者が応じなければ斡旋不調に終わる事もある)
- 静岡県労働委員会に対し「個別的労使紛争のあっせん」の申請(使用者が応じなければ不調に終わる事もある)
- 連合静岡ユニオンに加入して団体交渉を申入れる
- 労働審判の申立をする