2022年「男女共同参画状況調査」集約報告
男女状況調査
掲載日:
2023年4月
2022年調査結果がまとまりました。以下のとおり報告いたします。
(1)調査の目的
「アクションプラン静岡Ⅱ」の達成に向け、現状と経年変化を把握すること。
(2)調査の対象
連合静岡加盟組織(単組)
(3)調査実施時期
2022年6月~2023年1月
(4)調査の実施方法
自入力式のアンケート票により実施 ※一部紙面対応
(5)調査の配付・回収方法
507組織に配布、375組織より回収(回答率73.96%、昨年度78.39%)
(6)調査の実施および分析
連合静岡と労働調査協議会が共同で実施
(7)調査結果概要
①女性組合員比率および女性組合役員(執行委員)比率
・女性組合員比率は21.9%(昨年度21.7%)と大きな変化はない。
・46.6%の組織が「女性執行委員はいない」と回答したが、女性組合役員ゼロの組織は昨年度より4.0ポイント減となった。全体として女性組合役員(執行委員)比率は、12.0%(昨年度12.6%)となり、微減したが、一方で女性の三役配置割合は過去最高6.4%(昨年度5.6%)となった。2019年以降、上昇が続いている。
②大会代議員の選出
・女性大会代議員比率は21.4%(昨年度18.8%)となり、昨年度と比較して2.6%増となった。背景として新型コロナウイルス感染対策で多くの組織が大会規模の縮小や代議員数の絞り込み、書面議決などを行った昨年と異なり、通常の形式に戻したことが影響したのではないかと考える。
・大会代議員における「女性枠の設置」が「ある」割合は7.5%となり、前回と比較して2.8%減少した。にもかかわらず大会代議員の女性比率が急減しないことを考えれば、その役割は徐々に薄れてきているようにも見える。実際、女性枠について設置していても有効に活用できていないケースがここ数年散見されており、設置組織は毎年減少している傾向にあった。
③運動方針への明記
・男女共同参画やジェンダー平等・多様性の推進について「運動方針に明記している」割合は38.3%(昨年度37.0%)となった。連合本部の構成組織調査では、63%が明記していると回答しており、構成組織本部と加盟単組で温度差が大きい。
一方「明記していない」と回答した組織は61.7%と6割を超えたが、特に女性組合役員ゼロの組織では68.4%(昨年度71.3%)と7割弱となり、昨年度より減少した。
・運動方針に明記しているにもかかわらず「女性執行委員ゼロ」の組織は31.6%と3割を超えている。方針に掲げながらなぜ登用が進まなかったのか、その経過状況を探ることで解決策が見出せるのかもしれない。
④推進計画の策定
・「計画はない」と回答した組織は47.2%(昨年度63.0%)となり、昨年度より大幅に減少した、。一方「計画がある」組織の割合は20.4%(昨年度35.5%)だったものの「現在策定中」と回答した組織は31.1%となり、あわせると昨年度の数値を上回った。連合も男女平等からジェンダー平等へとシフトした年度でもあり、各組織が対応中であることが伺える。
・特に 運動方針に明記している組織では「計画がある」または「策定中」である割合が8割近く(78.0%)に達している。このことからも運動方針へ明記することで意識が促され、具体的な計画策定が行われることが確認できる。
⑤その他具体的な取組について
・昨年度同様、「トップリーダーによるメッセージの発信」、「男女共同参画推進委員会等の設置」、「女性委員会等の設置」、「性的指向・性自認(SOGI)尊重の取組み」といった具体的な取組みについて、いずれも『やっている・設置している』と回答した組織は『やっていない・設置していない』と回答した組織に比べ、女性組合役員を選出している比率が高かった。さらには1人選出より複数選出できている傾向があることも確認できた。
・このことから、上述に記載したような 何らかの具体的な取組みを実施することで当該組織の男女共同参画および推進意識は促されると考えることができる。
⑥男女共同参画、ジェンダー平等推進の取組み
・「会議や研修等の場所・時間の工夫」と回答した組織は回答した組織全体の25.2%と1/4を占めた。他に「参画促進のためオンラインの活用」(新設)が22.5%など、コロナ禍を契機に誰もが参画しやすい環境整備を実施した様子がうかがえる。女性組合員を複数選出している組織ほど取組みが活発化しているようで、会議時間に工夫を凝らしている組織は4割を超えた。
・一方で「特に取り組んでいない」組織は45.6%にのぼるが、昨年度(60.2%)と比較して大幅に減少した。
⑦雇用管理上の男女差別の解消やWLBの取組み
・雇用管理上の男女差別解消のための取組みとしては「女性活躍推進法や男女雇用機会均等法の周知」(24.7%)や「男女別賃金格差の把握」(33.8%)、「育児介護休業法を上回る協約改定の方針化」(22.5%)など、法改正にもとづく対応を実施していると回答した組織が多く、昨年度の回答を大きく上回った。
・仕事と育児・介護の両立の取組みとしては、「男女別育児・介護休業取得状況」把握と「法改正の内容周知」の項目で取組比率が高くなった。段階的に施行された改正育児・介護休業法が本年4月に完了したことを受け、各組織が継続して対応していたと考える。またいずれの項目においても「運動方針明記」、「トップリーダーによるメッセージ発信」を行っている組織で取組比率が高いことがわかった。
・LGBTやSOGIに関する取組みについては、「特に取り組んでいない」と回答した組織は44.0%(昨年度55.6%)となり、社会の動きとあわせる形で、対応する組織が増加した。具体的には「相談窓口の設置」や「ハラスメントの周知」に取り組む組織が増え、特にリーダーが運動方針についてメッセージを発信している組織ほど取組みが進んでいることがうかがえた。
【まとめ】
連合静岡は、2011年にアクションプラン静岡(1次計画)を策定し、その流れを引き継ぎながら2次計画(2013年)およびアクションプラン静岡プラス(2020年)を実践し、取り組んできました。しかしいずれも推進計画の数値目標達成に至らなかったことから、2022年「アクションプラス静岡Ⅱ」を策定し、現在に至っています。
本調査の経年変化結果をふまえれば、わずかながらも女性組合役員比率は増加し、体系的にも執行機関における女性の意見反映が可能な体制は整備が進んでいます。今後も数値目標をひとつの目安として、構成組織を通じ、2024年9月末の推進計画満了時に向け、それぞれの加盟単組に対しジェンダー平等・多様性推進の仕組みづくりを呼びかけてまいります。
本来、役割と責任を分かち合い、いきいきと働き続けることができるジェンダー平等と多様性を活かした社会は、働きがいと働きやすさの双方を手に入れるにとどまらず、誰もが仕事と仕事以外の生活を両立することができる社会であると考えます。これまでの構成組織および加盟単組の協力をしっかりと成果につなげるためにも、ジェンダー平等と多様性の推進、アンコンシャスバイアスの払拭等、さまざまな課題に対応しながら、今なお手の届いていない目標達成に向け、連合静岡全体で取り組んでまいります。引き続きのご理解とご協力をお願いいたします。
【具現化するための取組み】
〇連合静岡および構成組織を通じて加盟組織における男女共同参画をはじめ、ジェンダー平等および多様性の推進に向け、加盟組織や地域協議会を対象とした学習会の開催を検討してまいります。
〇調査を通して収集した好事例については、当該組織のご協力のもと、それぞれの組織で運動を推進する際の具体的なヒントとして加盟組織内にて広く共有します。
〇調査を通じて浮彫りになった課題についてはジェンダー平等・多様性推進推進委員会の中で対応を検討する他、構成組織および地協ヒヤリングなどで共有し、課題解決に向けたアイデアについて意見交換を行います。
〇また本年度における男女平等月間におけるセミナー(6月開催予定)や「女性リーダー情報交換会」(9月開催予定)の他、地域協議会や構成組織・加盟組織での学習会等にもデータ活用していきます。
〇今年度(2023年度)についても「ジェンダー平等・多様性推進状況調査」を実施します。実施方法については、これまでの経過をふまえ様々な角度から検討し、6月男女平等月間の取組みのひとつとして改めてご案内します。